Bennerman夫妻のデザインで
中世のガ-デンを再現!!
このガ-デンを取り上げるのは、私がBennerman夫妻のデザインに今、興味があるという個人的な思いからです。チャ-ルズ皇太子の庭Highgroveの回でも少し触れましたが、大変個性的なデザインをするので、注目しています。確かに作りが、良く言えば重厚感があり、言葉を変えれば「ごつい」という表現が当てはまり、個人の庭に配するには相当な広さが必要になります。それでも惹かれるのは、独創的なアイディアに魅力があるからでしょう。
このガ-デンのBannerman夫妻がデザインしたフロントガ-デン部分は2006年に造られました。それまでは駐車スペ-スとして使用されていた2エ-カ-の土地をフォ-マルガ-デンに作り変え、ThomasHowardへの賞賛の証としようという計画の下、進められました。ThomasHoward(1585-1646)という人は、14代Arundle伯爵で美術品収集家として知られた人です。その収集品の多くは現在Norfolk公一家が住む、このArundle Castleにて観ることができます。Thomas HowardはInigo Jones(イギリス初とも言われる建築家)を重用し、イタリアへの美術収集の旅にも同行させました。
そのInigo Jonesの設計したロンドンの
Arundel Houseの庭の再現をここで目指しました。
Bennerman夫妻お得意のGreen Oakを石に見立てる独自の手法。石造りのような重厚感があり、それでいて木の持つ温かみが感じられる、それがこのフロントガ-デンの独特な雰囲気を醸し出していると言えると思います。そしてPlantingもそれに沿ったコンセプトで、大ぶりな葉が目立ち、大胆な色使い。ア-トコレクションのため、世界を駆け回ったThomas Hawardにふさわしく、珍しいシダ類、やしの木、バナナの木等、「集められた植物」がところ狭しと植えられています。
下の写真のWater Featureは1611年にInigo JonesがデザインしたOberon's Palaceを復元した建物の中にあります。
Dancing Crown Fountainと呼ばれるように、金色の王冠が水の吹き出る部分のすぐ上に備え付けられ、水の出る圧力でクルクルと回転する仕組みになっています。
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フロントガ-デン以外の部分も少し、ご紹介しましょう。こちらはイギリスのカントリ-サイドでよく見られるタイプの庭です。Hedgeで小部屋風に仕切られたカラフルなBorder、様々な形のトピアリ-、キッチンガ-デン、グラスハウス、ロ-ズガ-デン、等です。因みに、ここのキッチンガ-デンもオ-ガニック。どこへ行ってもオ-ガニック、大流行です。
Arundel Castleの観光の目玉でもある、
Fizalan Chapel前に広がるMeadow Garden。
矢車草が咲き乱れていました。
去年はポピ-を植えていたのでしょう。
Arundel Castleは敷地がかなり広い上に、ガ-デンのあるところまではずっと上り道です。かなり時間をみて、見学されることをお勧めします。そしてポイントはフロントガ-デンにあることをお忘れなく!!
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