2012年1月28日土曜日

バラを見る庭 Mottisfont Abbey



バラの仕立て方に注目

Graham Stuart Thomas
監修したロ-ズガ-デン




バラ好きの人でMottisfontを知らない人はいないでしょう。そう言ってもいい程、バラで有名なガ-デンです。ということで、今更私がMottisfontの説明をする必要もないと思いますので、今回はここのバラの仕立て方に絞ってご紹介することにします。前回のSissinghurstのブログ同様、冬のバラの手入れに役立てていただけたらと思います。


例えばこの角材で出来たポ-ルを利用した仕立て方。とてもシンプルですが、このようにいくつか連続させて植えることで、効果倍増です。


写真はどれも4月と6月の様子を比べています。





















上のRosa 'Gold finch' は丸太で四角柱を作ったものに誘引してあります。この方法、東京に住む実家の父も実践しています。バラを立体的に見せるのに効果があります。





大きな木に誘引されたRosa 'Mme d'Arbay'
根元はこのようになっていたわけです。(写真左)
バラが木登りをするための梯子のようなものですね。





















Rosa'Pergolese'
枝を四方に低く引っ張り、地中に埋め込んだ杭に枝を結びつけて固定させています。水平にメインの枝をキ-プすることで、ここから上へその先のステムが伸び、やがて花が咲くころにはド-ム状に形が整うわけです。


Rosa 'Pebutaante'

赤いコ-トを着た老婦人、ベンチに座ってガ-デンを眺めています。この時期(4月)、まだバラは咲いていません。こういったパブリックに公開しているガ-デンは冬に来る見物客のことも考えて、常緑のTopiaryやHedgeを効果的に配しています。








バラで有名なガ-デンですが、もちろん宿根草や一年草も種類豊富。ガ-デナ-としては参考にしたい、バラとの組み合わせを見ることができるわけです。

このガ-デンを訪れるなら、バラのハイシ-ズンである5月、6月をお勧めします。

このガ-デンの詳しい情報はこちら↓
http://www.nationaltrust.org.uk/main/w-mottisfont/

2012年1月10日火曜日

Sissinghurst の冬支度

Sissinghurst初の試み
「ガ-デナ-達による冬の手入れを公開&ヘッドガ-デナ-によるレクチャ-」
このイベントにFlying Usagiさんと参加してきました。
このイベントはSissinghurstの一般公開が終了し、来シ-ズンのための準備に入ったその様子をみせてくれるという、ガ-デン愛好家にとっては垂涎の催しでした。
内容は大きく分けると、芝生、Hedge、宿根草ボ-ダ-、バラの4項目。それぞれのスペシャリストが実際に手入れしている現場を見学し、説明を受けました。

ヘッドガ-デナ-のAlexis Datta
普段は見ることの出来ない温室の中も案内してくれました





重しの付いた糸を垂らして
Hedgeを直立に仕上げる
HedgeはSissinghurstにとって欠かせないもの。きれいに刈り揃えてあるHedgeを背景に、それぞれの植物が美しく映える様に計算されているからです。高さも厚みもきっちり測って刈り込みます。計測した数字も詳細に記録して来シ-ズンに残すそうです。
17年間ここの芝生を担当しているTroy Smit

 芝生に関しては、条件が日本とは違うので参考になり難いかもしれません。共通の悩みとしては、やはり雑草でしょう。芝生が元気であれば、雑草が交じることも少ない、そして芝生を元気に保つには、土中に空気を入れてあげることが大切。肥料や水だけではなく、芝生に穴をあけて空気を入れることがポイントだそうです。












ここまで高くなると、つるバラの剪定は恐怖心との戦いではないでしょうか?はしごの根元をみると、きちんと滑り止めが施されていました。バラを植えるときは、剪定や肥料をあげるときのスペ-スを考えておかなければならないことをお忘れなく!





バラの仕立て方についても説明がありました。バラを広げるように仕立てるのに使われているのは、栗の木の枝をア-チ状に曲げたもの。バラの枝を丁寧に栗の木に誘引しています。腐り難い栗の木は、ここSissinghurstに生えているものを使用しているそうです。




上の写真はホワイトガ-デンの様子。目玉でもあるRosa mulliganiiは以前より枝振りが貧弱になってきたので、ド-ムの反対側にもう一本植えてあります。世代交代の日が近づいているのでしょう。

宿根草担当のガ-デナ-もこの時期は大忙し。ポットにはカバ-をかけ、寒さによるひび割れを防ぎます。ウサギ除けには小枝を使って植物を守ります。ダリア類等寒さに弱い植物は掘り上げ、グラスハウスに移動させます。それにもちろん土に栄養をあげたり、マルチングしたりと今が春先の次に忙しい時期というのも納得です。





ゲストのいないガランとしたSissinghurstを見られただけでも貴重な機会でしたが、有意義なお話も聞けたし、ランチもおいしかったし、大満足の一日でした。きっとこのイベント、大好評につきこれからも度々催されるのでは?期待しましょう!
それぞれのスペシャリストから話を聞いて、来シ-ズンここに戻ってくるときには、今までよりもっと楽しめそうな気がします。

Sissinghurstの詳しい情報はこちら↓ ここからEventをチェックすることができます。